ターミナルバリュー

現在価値を求めるモデルにおいて、遠い将来の現在価値を予測するのは困難なため、個別に予測を行った最後の年度(ターミナル・イヤー) 以降を単純な仮定の下にまとめて推定する現在価値。ターミナル・イヤー後の成長については定率成長モデルやその特殊系であるゼロ成長モデルが 用いられることが一般的である。

配当割引モデル(DDM:Dividend Discount Model)におけるターミナルバリューの導出

IV0・・・現在価値
DIVτ・・・τ期の配当
Re・・・株主資本コスト
g・・・Τ期以降は一定の成長率
ターミナルイヤーΤ年以降は一定の成長率gで成長すると仮定する場合のターミナルバリューは下記の通り。
 IV0   =   DIV1 
 1+Re 
 DIV2 
 (1+Re)2 
 DIV3 
 (1+Re)3 
・・・
   =   DIV1 
 1+Re 
・・・  DIVΤ 
 (1+Re)Τ 
 DIVΤ 
 (1+Re)Τ 
×  1+g 
 1+Re 
 DIVΤ 
 (1+Re)Τ 
×  (1+g)2 
 (1+Re)2 
・・・
   =   DIV1 
 1+Re 
・・・  DIVΤ 
 (1+Re)Τ 
 DIVΤ 
 (1+Re)Τ 
×  1+g 
 1+Re 
 DIVΤ 
 (1+Re)Τ 
 ×   1+g
 1+Re 
 (1+g)2 
 (1+Re)2 
・・・   
   =   DIV1 
 1+Re 
・・・  DIVΤ 
 (1+Re)Τ 
 DIVΤ 
 (1+Re)Τ 
×  1+g 
 Re-g 
   =   DIV1 
 1+Re 
・・・  DIVΤ 
 (1+Re)Τ 
 1 
 (1+Re)Τ 
×  DIVΤ+1 
 Re-g 
上記式の最終項
 1 
 (1+Re)Τ 
×  DIVΤ+1 
 Re-g 
が定成長率を仮定した場合におけるΤ+1年度以降の配当の現在価値の総和である。 この最終項の
 DIVΤ+1 
 Re-g 
はターミナル・バリューとよばれる。
ターミナル・バリューはΤ+τ年度の予想配当を(1+Re)τでΤ年度末時点まで割引いたものの 総和であるので、Τ年度末における株式の内在価値の現時点における予想値を示している。