貸借対象表
貸借対象表は企業が一時点において所有する全ての資産、負債、純資産(資本)を一覧化した企業の財政状態を表すものである。資産の部が左側(借方)、 負債の部、純資産の部が右側(借方)とに記載され、資産=負債+純資産(資本)という関係になっている。
表:貸借対象表

■資産の部
流動資産
①当座資産・・・現金、預金、売上債権、売買目的有価証券等の短期間で現金化することができる資産。②棚卸資産・・・販売活動をするための商製品、製造活動に必要な原料、仕掛品など。
③その他の流動資産・・・販売代金以外の債権で、貸付金や未収収益など。
固定資産
①有形固定資産・・・固定資産のうち、具体的な形態を持ち、生産・営業活動に使用して収益を獲得するための資産を指す。建物、機械、装置、土地など。②無形固定資産・・・固定資産のうち実態価値のないものをいう。特許権、実用新案権、意匠権、商標権などの法律上の権利や、のれんのような事実上の財産が含まれる。
③投資その他の資産・・・他企業の支配あるいは他企業と取引関係を持つために長期に渡って所有する資産を指す。投資有価証券、関係会社株式、長期貸付金などがある。
繰延資産
すでに財の消費や役割の提供を受け、これに対して支出を行ったにも関わらず、適正な期間損益計算をする必要から、経過的に資産として繰延経理される計算項目。次の5項目が該当する。株式交付費、社債発行費等、創立費、開業費、開発費。
■負債の部
①流動負債・・・正常営業循環基準に基づき、通常の営業取引によって発生した全ての債務は1年以内に支払い期限が到来しないものでも流動負債に分類され、支払手形や買掛金が その代表例である。また、営業外の債務には1年基準が適用され、1年以内に支払わなければならない債務が流動負債の区分に分類され、短期借入金や未払法人税などがこれに当てはまる。②固定負債・・・営業外の取引により発生し、支払期限が決算日より1年を超えるものが固定負債であり、社債や長期借入金、退職給付引当金などがある。
■純資産の部
①株主資本・・・株主資本とは、純資産のうち株主に帰属するものをいう。これには、資本金、資本剰余金、利益剰余金がある。資本金とは会社の設立や増資に対して株主が 払い込んだ金額である。②その他の包括利益累計額・・・その他有価証券評価差額金、繰延ヘッジ損益、土地再評価差額金、為替換算調整額勘定が含まれる。
③新株予約権・・・会社に対して一定期間、あらかじめ定められた一定の価格で新株の交付を請求できる権利をいう。
④少数株主持分・・・子会社の資本勘定のうち、親会社以外の株主が保有している部分のことを指す。