財務分析 第1問 問7 収益認識基準に関する問題

収益認識基準に関する次の記述のうち、正しいものはどれですか。

  • 委託販売においては、受託者が委託品を第三者に販売した時に収益認識を行うことが原則である。
  • 試用販売においては、商品を引渡した時点で収益認識を行い、返品された場合は収益の取消しを行う。
  • 工事完成基準においては、工事が完成して引渡した時点で収益認識を行い、それまで工事原価は費用として認識する。
  • 工事進行基準においては、工事の進捗状況に応じて収益認識を行うため、販売基準の適用といえる。
  •    

解答

解答:A

  • 正しい。
  • 得意先が買取りの意思を表示した時点で収益認識を行う。
  • 工事が完成し、引渡すまでは、収益・費用のいずれも認識されない。
  • 生産基準の適用といえる。
  •    

■収益基準

生産基準、販売基準、現金基準の3つがあるが原則的な基準は販売基準である。

■特殊な販売基準

①委託販売・・・当社(委託者)が販売代行会社(受託者)に商品を預けて、販売を代行してもらう取引。受託者は販売代金の 一部を手数料として受取り、委託者は残額を受取る。委託販売では次の2つの収益基準が認めている。
1つ目は受託者が委託品を第三者に販売した時点で売上収益を計上することが認められている。2つ目は、仕切精算書が販売のつど 送付されている場合、当該仕切精算書が到達した時点で売上収益を計上することが認められている。
※仕切精算書・・・委託販売において、受託者が委託品(受託品)を販売した場合に、その販売に関する計算を行い、委託者に報告するために送付する計算書。

②試用販売・・・得意先に商品を発送して一定期間試用してもらい、気に入れば買い取ってもらう取引。商品を引渡した後に 得意先が買取の意思を表示した時点で収益を認識する。買取意思表示基準。

③予約販売・・・予約販売とは雑誌の定期刊行物や電車の定期券などのように、一定期間に渡る購読料や定期代を事前に受領し、 それに基づいて将来の商品引渡しやサービスの提供を行う取引。予約金受取額のうち、商品を引渡しまたはサービスの提供が完了 した分だけ売上収益が認識される。

④工事完成基準・・・工事が完成して引渡しが完了した時点で収益を認識する方法で、引渡しが完了するまでは収益と費用の いずれにも計上されない。販売基準を請負工事に適用したのが工事完成基準である。

■生産基準

①工事進行基準・・・工事の進捗状況に応じて段階的に収益を認識する方法であり生産基準の一適用例である。