財務分析 第1問 問5 包括利益に関する問題
包括利益に関する記述のうち、正しくないものはどれですか。
- 包括利益の表示は1計算書方式、2計算書方式のいずれも認められている。
- 包括利益は、当期純利益に、その他有価証券評価差額金や繰延ヘッジ損益などのその他の 包括利益累計額(従来の評価・換算差額等)を加減して、表示される。
- 包括利益には、金融商品の時価評価損益に加え、建物や借入金などの全ての資産及び負債に関する時価評価損益が 含まれている。
- 包括利益は、親会社株主に係わるものであり、少数株主に係わる包括利益は、包括利益が表示される計算書に注記される。
解答
解答:D
- 正しい。2010年6月に企業会計基準委員会から公表された企業会計基準第25号「包括利益の表示に関する会計基準」
では、包括利益を表示する計算書として、次の2つの計算書方式を認めている。
2計算書方式・・・当期純利益を表示する計算書と包括利益を表示する包括利益計算書からなる形式
1計算書方式・・・当期純利益の表示と包括利益の表示を1つの計算書で行う方式 - 包括利益は当期純利益に、その他の包括利益を加減して表示される。
- 包括利益であっても、全ての時価評価損益が含まれているわけではない。
- 包括利益は、親会社株主に係わる分と少数株主に係わる分からなり、これらはいずれも包括利益が表示される計算書に付記される。
■包括利益と当期純利益の違い・・・当期純利益は1年間の収益から費用をひいた金額、包括利益は1年間の純資産(資産から費用をひいた金額)の純増減分です。