財務分析 第1問 問12 退職給付会計に関する問題
退職給付会計に関する記述のうち、正しいものはどれですか。
- 退職給付見込額の勤務期間への配分には、給付算定式基準を用いなければならない。
- 退職給付債務とは、退職給付のうち、決算日までに発生していると認められる部分の割引前の金額をいう。
- 勤務費用とは、1期間の労働の対価として発生したと認められる退職給付の現在価値をいう。
- 利息費用とは、期首時点における退職給付債務について、期末までの時の経過により発生する計算上の利息であり、信用リスクの高い社債の利回りを用いて算定する。
解答
解答:C
- 期間定額基準と給付算定式基準のいずれか選択適用による。
- 認識時点までに発生していると認められる部分を割引いたものである。
- 正しい。
- 安全性の高い債券の利回りを基礎にして決定された割引率を適用する。
退職給付
従業員の退職時または退職後に企業が支払う一時金や年金。その費用は、企業が一時金や年金を支払ったときではなく、従業員が労働を提供したときに認識される。将来の退職一時金または退職年金の支払総額を見積もったあと、退職時の現在価値に直したうえでその額を退職時までの各勤務期間に配分する。
各期に配分された額をさらに現時点の価値まで割り引いたものがその期の費用となる。
退職時に見込まれる退職給付の総額(退職給付見込額)を各勤務期間に配分する方法としては、下記の2通りがある。
①期間定額基準・・・勤務時間を基準とする方法
②給付算定式基準・・・退職給付制度の給付算定式に従って各勤務期間に帰属させた給付に基づき見積った額を、退職給付見込額の各期の発生額とする方法
退職給付債務
認識時点までに発生していると認められる退職給付の現在価値1年目は1年間の労働の対価として発生した退職給付の現在価値であり、2年目以降は該当年の労働対価の現在価値に加え、前年度までの退職給付の利息分が該当年の退職給付債務となる。