証券分析 第6問 Ⅳ-問2リターンの標準偏差に関する問題

今日から1年後の証券分析状態について、3通りの状態(シナリオ)が考えられている。図表1は、4つの証券に関する現在価格と1年後の状態 ごとの価値、および3通りの状態に対する状態価格を示している。各状態の確率とは、現在見込んでいる各状態が1年後に生じる確率である。

図表1 現在価格および1年後の状態ごとの価値
証券現在価格状態1
確率:0.35
状態2
確率:0.55
状態3
確率:0.10
証券A345円450円350円250円
証券B問5850円700円600円
市場インデックス979.01200.01000.0850.0
国債問3100円100円100円
状態価格-0.3円0.5円問4
・市場はノー・フリーランチとする。
・今日から1年後まで、証券A、証券B,市場インデックスとも期中のキャッシュフローはない。
・国債は満期1年の割引債である。
・証券は任意の大きさに分割して取引可能である。また、税金は考えない。
・状態価格とは、将来その状態が起きた時にのみ1円が支払われる証券に、市場がつけた現在価格である。
・リスクフリーレートは6.4%とする。

証券Aのリターンの標準偏差はいくらですか。

  • 17.0%
  • 18.0%
  • 19.0%
  • 20.0%
  • 21.0%

解答

解答:B

まずは、各状態のリターンとリターンの平均(期待値)をもとめる。
状態1のリターン105/345、状態2のリターン5/345、状態3のリターン-95/345
リターンの期待値=(105/345)×0.35+(5/345)×0.55+(-95/345)×0.1=0.0869≒8.7%
各リターンと平均の差を2乗して確率をかけ足し合わせると、
{(105/345)-0.087}2×0.35+{(5/345)-0.087}2×0.55+{(-95/345)-0.087}2×0.1=0.03255
上記が分散となるので、これの平方根とり、標準偏差は0.18=18%となる。