証券分析 第6問 Ⅱ-問1ポートフォリオリスクに関する問題

Aさんは、以下の株式ファンドX、Y、Zおよび市場インデックスへの投資を検証している。各株式ファンドおよび市場インデックスのリターンはいずれも 正規分布に従うものとする。図表1の期待リターンおよび標準偏差はいずれも年率、ベータは市場インデックスに対するベータである。

図表1 株式ファンドX、Y、Zおよび市場インデックスのリターン特性
期待リターン標準偏差ベータ
株式ファンドX4.0%15.0%0.6
株式ファンドY9.0%35.0%1.4
株式ファンドZ6.0%25.0%問3
市場インデックス5.0%20.0%1.0
・株式ファンドXと株式ファンドYの相関係数は0.8である。
・株式ファンドZと市場インデックスの相関係数は0.8である。
・リスクフリー・レートは年率1.0%である。

株式ファンドXに50%、株式ファンドYに50%投資したポートフォリオのリスク(標準偏差)はいくらですか。

  • 15.0%
  • 23.9%
  • 25.0%
  • 33.4%
  • 35.0%

解答

解答:B

確率変数の1次結合の分散の式により、株式ファンドXとYのリスクをそれぞれ確率変数X、Yとすると、 該当のポートフォリオのリスクは、Var(0.5X+0.5Y)=0.52Var(X)+0.52Var(Y)+2×0.5×0.5×Cov(X,Y)となる。
Cov(X,Y)=ρ×σXσYであるから、0.25Var(X)+0.25Var(Y)+0.5×σXσY×0.8=0.05725となり、 これの平方根をとると標準偏差となるので、答えは、0.23926≒23.9%となる。

標準偏差

確率変数Xの取りうるすべての実現値をx1,x2,x3・・・xnとする。
P(xi)・・・xiが発生する確率
Ave(X)・・・Xの分布の平均
E(X)・・・Xの期待値
分散= Var(X)  =  n
Σ
i=1
[xi-Ave(X)]2P(xi)

σ・・・標準偏差
σ2=Var(X)

共分散

2組の対応するデータ間での平均からの標準偏差の積の平均値。

共分散=Cov(X,Y)=E[(X-Ave(X))(Y-Ave(Y))]
ρ・・・相関係数
ρ  = 
 Cov(X,Y) 

σXσY

確率変数の1次結合の平均と分散

確率変数X,Yと定数a,bについて下記が成り立つ。
Ave(aX+bY)=aAve(X)+bAve(Y)
Var(aX+bY)=a2Var(X)+b2Var(Y)+2abCov(X,Y)