証券分析 第6問 Ⅰ-問5 マルチファクター・モデルとAPTに関する問題
マルチファクター・モデルとAPTに関する次の記述のうち、正しいものはどれですか。
- マルチファクター・モデルでは、証券のリスクを複数のファクターに対するエクスポージャーによってとらえる。
- マルチファクター・モデルは、トラッキングエラーの管理には用いられない。
- APTでは一般に、リスクフリー・レートの水準も含めてファクタープレミアムで説明される。
- ファクターは多くの証券にリスクを与えるものなので、APTによればファクタープレミアムは正となる。
解答
解答:A
■APT(Arbitrage Priceing Theory:裁定価格理論)・・・ノー・フリーランチの原理、「世の中にただメシはない」という理屈から導かれた
理論であり、需要と供給の原理を用いてリスクの価格を求めたCAPMとは異なる理論。
■マルチファクターモデル・・・株式の収益率を複数の要因(ファクター)から説明するモデル。代表的なモデルとしては、ファーマ=フレンチ
の3ファクターモデル(マーケットファクター、企業規模ファクター、バリューファクター)等がある。これに比べ、CAPMはマーケットファクターのみを
考慮しているのでシングルファクターモデルといえる。