証券分析 第5問 Ⅰ-問1 株価指数先物のキャリー損益に関する問題

いま、現物株価指数は10,000円、先物の満期までのリスクフリー・レートは1.00%(年率)、配当利回りは1.50%(年率)、先物の満期までの日数は30日である。 この株価指数先物のキャリー損益(理論ベーシス)はいくらですか。ただし、いずれも1年=365日ベースで年率換算されているものとする。

  • 14円のキャリー損
  • 10円のキャリー損
  • 0円
  • 4円のキャリー益
  • 10円のキャリー益

解答

先物理論価格=10,000 ×(1+(0.01-0.015)×30/365) =9995.89 よって9996円
これより現物価格と先物価格の差は4円となり先物価格の方が安いので、キャリー益は4円となる。
解答:B

■キャリー損益・・・先物価格と現物価格の差
先物価格=現物価格×(1+金利-配当利回り)
※上記の金利と配当利回りは年率換算しない少数表示ベース、よって金利と配当利回りが年率の%で与えられた場合は下記の式となる
先物価格=現物価格×(1+((金利-配当利回り)/100)×(先物満期までの日数/365))

先物価格の算出根拠は、未来のある時点の先渡価格の現在価値は金利を考慮して先渡価格/(1+金利)となる。
※現在からある時点まで先渡価格/(1+金利)をもっていると先渡価格となるため
この先物の現在価値は現物価格と等しくなるはずなので、先渡価格/(1+金利)=現物価格
ただし、満期までに配当を受取る場合は、現在の株価に配当額が折り込まれてるので現物価格から配当額を引く必要がある。
整理すると、先渡価格=現物価格×(1+金利)-配当額、これを配当利回りで記載すると、
先渡価格=現物価格×(1+金利-配当)となる。