証券分析 第4問 Ⅲ-問2 修正デュレーションに関する問題

固定利付債はすべて年1回利払いで、現在は利払い直後である。また、国債のスポットレートは残存1年が3.00%、残存2年が3.50%、残存3年が4.23%である。

図表1 債券一覧
銘柄名残存年数(年)額面(円)クーポンレート(%)価格(円)信用スプレッド(%)最終利回り(%)修正デュレーションコンベクシティ
社債131000問12.302.8210.57
社債2210050.013.50問2問3
社債33100293.842.8210.75
注:割引国債の額面はすべて100円。-は該当数字なし。☆は設問の関係で数字が伏せてある。

社債2の修正デュレーションはいくらですか。

  • 1.84
  • 1.89
  • 1.94
  • 1.99
  • 2.04

解答

解答:B

まず、マコーレデュレーションを求める。
1年目のPV(現在価値)は5/1.035=4.8309≒4.83
2年目のPV(現在価値)は105/1.0352=98.018≒98.02
債券価格=4.83+98.02=102.85
1年目のPV×t=4.8309×1=4.8309
2年目のPV×t=98.02×2=196.04
よって、マコーレデュレーション=(4.8309+196.04)÷102.85=1.90607となる。
これを1+最終利回りで割って、1.90607÷1.035=1.8870≒1.89

最終利回り=スポットレート+信用スプレッドであるから、0.0423+0.023=0.0653となる。
3年後に満期でもらえる金額は100円なので、現在価値を求めて100/(1.0653)3=82.7149895≒82.71円

デュレーション

デュレーションは2つの意味を持っている。1つは「平均回収期間」であり、1つは「価格弾力性」である。修正デュレーションと区別してマコーレデュレーションと呼ぶ。
マコーレデュレーションは、キャッシュフローが発生する期間tの加重平均である。よって、下記の式で表せる。
PVt・・・t年に発生するキャッシュフローの現在価値
P・・・債券価格
Τ
Σ
t=1
PVt

P
 ×t

修正デュレーション

金利が1%変化した場合に債券価格がどの程度変化するかを示す値。
修正デュレーション=マコーレデュレーション ÷ (1+r) ※rは最終利回り