証券分析 第4問 Ⅱ-問7 スポットレートと所有期間利回りに関する問題
金利はすべて1年複利で計算し、利付債のクーポンは年1回払いとし、現在、国債市場から推計された金利は図表1の通りである。なお現在は利払い直後とする。
期間 t | t年のスポットレート | t-1年後スタートの1年物フォワードレート | 1年後スタートのt-1年物フォワードレート | 残存t年の割引国債の価格 | パーイールドの利付債の利回り |
---|---|---|---|---|---|
1年 | 3.00% | ‐ | ‐ | 97.09円 | 3.00% |
2年 | 3.30% | 3.60% | 3.60% | 93.71円 | 3.30% |
3年 | 3.60% | 問2 | 3.90% | 89.93円 | 問5 |
4年 | 問1 | 3.20% | 3.67% | ☆ | 3.49% |
5年 | 3.40% | 3.00% | 問3 | 問4 | 3.40% |
1年後のスポットレート・カーブが現在のスポットレート・カーブから予想されるとおりに(図表1の1年後スタートのt-1年物フォワードレートのように)なった としたとき、いま残存3年の割引国債(利回り3.6%)に投資した場合の1年間の所有期間利回りはいくらですか。
- 3.00%
- 3.30%
- 3.60%
- 3.90%
- 4.20%
解答
解答:A
■スポットレート・・・割引債(ゼロクーポン債)の複利最終利回り。
■フォワードレート・・・将来のある時点を基準に、そこから1年後、あるいは2年後、3年後と先を見通した利率
残存3年の割引国債の1年間の所有期間利回りを求めるということは、買った金額と1年後の債券の値段がわかればよい。
1年後の債券の値段 ÷ 買った金額 =1年間の所有利回りとなる。
残存3年の割引国債の買ったときの金額は100円をスポットレートから現在価値を求めると、100/(1+0.036)3となる。
1年後の債券の値段は図表1の1年後スタートのt-1年物フォワードレートのようになるので、1年後スタートの3-1年物のフォワードレート
から割引債の現在価値を求めて、100/(1+0.039)2
1年後から3年までの利率が3.9%になるということは、r円を3.9%の利率で2年運用すると100円になるということなのでr円=100/(1+0.039)2
で求められる。
上記から、(100/1.0392)÷(100/1.0363)=1.003002≒1.030
利回りなので1をひいて、0.030 ⇒3.0%