証券分析 第3問 Ⅰ-問1 均衡期待収益率に関する問題

リスクフリー・レートが2.0%、マーケット・リスクプレミアムが6%のとき、株式ベータが1.2の株式の均衡期待収益率について、正しいものはどれですか。 ただし、均衡期待収益率はCAPMに従って形成される。

  • 市場ポートフォリオの期待収益率より高い。
  • 市場ポートフォリオの期待収益率と等しい。
  • 市場ポートフォリオの期待収益率より低い。
  • 市場ポートフォリオの期待収益率との大小関係は一概にはいえない。

解答

解答:A

市場ポートフォリオのβは1.0となる。よって、市場ポートフォリオの期待リターンは2%+1.0×6%=8%となる。
株式の期待リターンは2%+1.2×6%=9.2%

CAPM(Capital Asset Pricing Model:資本資産評価モデル)

多くの株式からなるマーケットをベンチマークとして,個別株式のリスク・リターン関係を表す。 マーケット全体のリスクに対するプレミアムをマーケット・リスクプレミアム(エクイティ・リスクプレミアム)という。

CAPMによる株式資本コスト(期待収益率)は下記で算出される。
Re=Rf + β(Rm - Rf)
・Re・・・株式の資本コスト(株式の期待収益率:株式の期待リターン)
・Rm・・・市場ポートフォリオの期待リターン
・Rf・・・リスクフリー・レート
・Rm - Rf・・・マーケットリスクプレミアム
・β・・・個別株式のリスク尺度、個別株式のリターンを市場要因と非市場要因に分けたときに市場要因の大きさ