証券分析 第2問 Ⅱ-問3 フリーキャッシュフローに関する問題



2011年度にC社はフリーキャッシュフローをどのように活用したのか、財務諸表から読取れる最も適切なものはどれですか。




  • 増配したので、期中の配当金支払いは前期比50%増えた。
  • 無借金経営を目指すため、借入金や社債の返済に充てた。
  • 生産効率を上げるため、減価償却費を上回る設備投資を行った。
  • 株価が下落したので、自社株買いを行って株主還元を図った。

解答



解答:D

  • 配当金の支払額は2010年度に1361億円、2011年度に1528億円と増えているが、50%も増加していない。
  • 借入金の返済額は2011年度15億円にすぎず、負債は2010年度末の11742億円から2011年度末12170億円と増えているため、無借金経営を目指した 負債の返済に充当したとは思われない。
  • 2011年度の減価償却費2613億円に対して、有形固定資産購入額は2381億円なので、設備投資は減価償却費の範囲内であった。
  • 最も適切。貸借対照表の株主資本のうち自己株式が2010年度の-5621億円から-6617億円へ、マイナス幅が約1000億円拡大している。 また、キャッシュフロー計算書の財務キャッシュフローの「その他」が、ほぼ同額の約1000億円のマイナスになっている。これらから、フリーキャッシュフロー を使って、約1000億円の自社株買いを行ったと推定される。