証券分析 第2問 Ⅱ-問1 資産変化に関する問題



2011年度は2010年度に比較して売上高はやや減少したが、製品や仕掛品など在庫についての変化として、正しいものはどれですか。

  • 棚卸資産が増えて、資産効率は悪化した。
  • 棚卸資産が増えて、資産効率は好転した。
  • 棚卸資産が減って、資産効率は悪化した。
  • 棚卸資産が減って、資産効率は好転した。

解答


解答:A

2011年度の営業キャッシュフローでは棚卸資産の増減額が-1,100億円となっており、棚卸資産の増加によって営業キャッシュフローが減少したことが うかがえる。棚卸資産回転率の下落によって資産効率は悪化したと考えられる。

キャッシュフロー計算書の棚卸資産

棚卸資産は販売されることにより会社に利益をもたらしますが、仕入れてから販売されるまでの貸借対照表に資産として計上されている期間は利益獲得に貢献しない上に、 その購入に充てた資金が在庫として社内に滞留していることを意味します。 したがって貸借対照表に計上されている棚卸資産の増加はキャッシュフロー計算書の作成にあたりキャッシュのマイナスとして調整が必要となります。 なお、棚卸資産の一時的な在庫は適正在庫として経営上必要な運転資本を意味しますが、棚卸資産が長期間にわたり在庫となっている場合は不良在庫であり、 経営上大きな問題となります。