経済 第4問  Ⅰ-問4 為替介入に関する問題

為替介入に関する次の記述のうち、正しいものはどれですか。

  • 為替介入により入手した外貨は日銀が保有し、為替レート変動に伴うリスクも日銀が負担している。
  • 為替介入は日銀が外貨の買入れに必要な資金を自ら調達して実施する。
  • 公的介入による日銀預け金の変動やそれによる短期金利の変動を日銀が放置する場合を「不胎化介入」と呼ぶ。
  • 内外通貨建資産間の代替性が完全で、かつ市場が効率的であれば、不胎化介入は無効となる。

解答

  • 為替介入により入手した外貨は政府が保有し、為替レート変動に伴うリスクも日銀が負担している。
  • 為替介入は政府が短期証券を発行して円資金を調達して実施する。
  • 公的介入による日銀預け金の変動やそれによる短期金利の変動を日銀が放置する場合を「非不胎化介入」と呼ぶ。
  • 正しい。


解答:D
■公的介入・・・政府による外国為替市場への介入。公的介入は、財務省が決定し、中央銀行が実際の外貨の売買を実施する。 日銀は、外国為替資金特別会計において短期証券を発行して円資金を調達し、外貨を買い入れる。買い入れた外貨は政府が保有し、 為替レート変動に伴うリスクも政府が負担している。

具体的な流れを説明すると、政府が100億円のドル買い、円売り介入を行った場合、日銀が政府の代理人として民間金融機関から ドルを買い入れると、民間金融機関の保有するドル預金が政府に引き渡され、外貨準備となる。

これにより、政府預金が100億円減少し、民間金融機関の預け金が100億円増加する。よって、市場に100億円が出回り、 金利の低下圧力となる。
このように政府による外貨の買い圧力は短期金利の低下圧力となり、外貨の売りは上昇圧力となる。
この短期金利の変動を日銀が放置する場合を非不胎化介入といい、日銀オペによりこうした金利変動を相殺する 場合を不胎化介入という。