経済 第3問  問7 裁量的財政政策に関する問題

裁量的財政政策に対する次の批判のうち、正しくないものはどれですか。

  • 1兆円の減税と公共事業の増加などの歳出増では歳出増のほうが乗数効果が小さい。
  • グローバル化による輸入の増加や輸出の減少によって景気刺激効果が低下している。
  • 有権者、選挙を意識した民主政治下では財政赤字体質が慢性化するとともに経済の活力が失われる可能性が大きい。
  • 家計消費が恒常所得で決まるとすれば、一時的な減税では消費はわずかしか増えない。

解答

解答:A

  • 公共事業等による財政支出の増加の方が乗数効果が大きい。
  • 正しい。
  • 正しい。
  • 正しい。
■裁量的財政政策・・・経済の状況に応じて財政支出の規模や租税を裁量的に変更する財政政策運営
・財政支出拡大・・・需要誘発効果の連鎖により、所得を増加させる政策。限界消費性向をbとした場合、乗数効果は1/(1-b)となる。 また、グローバル化した経済の下で公共投資を増やすと、自国通貨の為替相場騰貴に伴う輸出の減少が公共投資の拡大効果を減殺する方向で作用するため、 近年、公共投資の乗数効果は定価基調にあると考えられている。
・租税変更・・・税金を変更することで、所得をコントロールする政策。個人消費の拡大を目的として減税が行われることも多いが、その場合の 乗数効果はb/(1-b)となり、財政支出拡大より乗数が小さくなり、景気刺激効果は財政支出より小さいものとなる。