経済 第1問 問Ⅱ-1 状態価格に関する問題

時点0と時点1の2時点からなり、時点1において状態1と状態2の2つの状態がある不確実な経済を考える。 時点0から時点1へのリスクフリー・レートは20%であり、時点1の状態1で60円、状態2で18円の利得をもたらす 株式は、時点0の価格が22円である。裁定取引の機会はない。このとき、時点1の状態1の状態価格の値はいくらですか。

  • 1/6円
  • 1/5円
  • 1/4円
  • 1/3円
  • 1/2円

解答

解答:A

将来、つまり上の時点1の状態1になったときに1円となって、状態2だと0円となるような資産A(株、オプションでもなんでもいけど)と、 逆に時点2において状態1だと0円、状態2だと1円となるような資産Bがあるとします。 この資産の状態価格をそれぞれA資産→a円、B資産→b円とします。

問題にリスクフリーレート(無リスク利子率)20%とありますが、これは今(時点0)において、無リスク資産、 例えば国債とかを買っておくと時点1では20%利子がつきますよってことなので、これから1つめの等式を作ります。

時点0で1円の資産を買っておいた場合に時点1では1×1.2=1.2円となります。 これを資産Aと資産Bで実現しようとすれば、資産Aを1.2個、資産Bを1.2個もってればよいわけです。 こうすれば、状態1になろうが、状態2になろうが、どちらにせよ1.2円がもらえます。 つまり、A資産とB資産を現在(時点0)で1.2個ずつもっていることは、現在1円をもっているに等しいと言えます。

なんで、A資産とB資産の現在価格はそれぞれa円、b円なので1.2×a + 1.2×b = 1・・・(1)ができあがります。 次に、問題文に、「時点1の状態1で60円、状態2で18円の利得をもたらす株式は、時点0の価格が22円である」とあります。 これは、A資産を60個、B資産を18個もっている場合の現在の値段は22円です。といっているに等しいです。

つまり、60×a + 18×b = 22・・・(2)ができあがります。

あとは(1)、(2)を連立方程式でといて、a=1/6,b=2/3となり、時点1の状態1の状態価格は1/6円となります。

■状態価格・・・将来時点の各状態における1円の現在価値。問題の時点1で1円に、時点2で0円になるような資産の 現在時点での価格。
■リスクフリーレート・・・ある時点からある時点になったときに確実にもらえる利子率。

■移動平均法・・・新たに棚卸資産を受け入れる度に、平均単価を算出し直し、その平均単価によって次の払出しを記録する方法である。 この方法は、期末にならなくても平均単価を把握することができるが、平均単価の計算に際して端数が生じやすいという欠点がある。